業務研修から安全教育、入社時研修まで、企業ではさまざまなケースやタイミングで社内研修を実施しています。
従来は研修担当がマンツーマンもしくは複数人に向けてリアル研修を実施していましたが、コロナ禍を経てリモートワークが増えたこともあり、社内研修を動画で実施されるケースが増えてきています。
今回は「社内研修に動画を活用するメリットや効果的な社員教育動画を作るポイント」について製造業・製薬、医療機器メーカーに特化した動画制作会社の株式会社エルモが解説します。
目次
社内研修に動画を利用するメリット
社内研修を進めるにおいて、動画は大きな効果を発揮します。
社内研修に動画を利用するメリットを5つご紹介します。
社内研修に動画を利用するメリット
- 1)学習効果が高い
- 2)コストやリソースなどの負担軽減につながる
- 3)属人化を防ぎ、教育効果を平準化できる
- 4)時間や場所を問わず研修を受けられる
- 5)学習状況の分析を行える
1)学習効果が高い
チラシ・パンフレット・カタログなどの紙媒体やWebサイトと比べ、動画の最も大きな特長はその情報量の豊富さです。
1分間の動画にはWebサイト3,600ページ分、およそ180万語分の情報量があるとも言われています。
さらに目(視覚)と耳(聴覚)の両方から訴えかけることができるため、言葉や文章では伝わりづらい内容をわかりやすく表現できること、説明が難しい微妙なニュアンスをビジュアル化して表現できることが最大のメリットです。
このため、より直感的な理解が可能で、高い学習効果を発揮できることがポイントです。
2)コストやリソースなどの負担軽減につながる
研修の実施にあたってはさまざまなコストやリソースが必要となり、下記のように講師側にも受講側にも負担がかかります。
●講師側のリソース確保
●受講側のリソース確保
●会場の手配
●研修資料の作成や準備
●研修会場への移動交通費や宿泊費
社内研修を動画で行う場合は、制作時点でイニシャルコストが発生するものの、上記のようなリソースやコストはかかりません。
研修を行う回数が多いほどこれらの要素を削減でき、双方の負担軽減に繋がります。
3)属人化を防ぎ、教育効果を平準化できる
社内研修にせよ営業にせよ、多くの場合説明する人のスキルや経験によって、伝わりやすさや理解度に差が生じます。
研修担当になって間もない若手社員とこの道20年のベテランでは、大抵の場合後者の方が説明がうまく、聞いている側も理解しやすくなります。
説明する人によって聞く側の理解度にブレが生じてしまうと教育効果を安定させることができません。
動画で説明する場合は、誰が使っても同じ効果を得ることができるため、講師側のスキルによって生じてしまう理解度の差を解消することが可能です。
説明にかかる講師側の負担を軽減することもできるため、有効に活用することで教育効果の向上と負担軽減を両立させることができます。
4)時間や場所を問わず研修を受けられる
コロナ禍以降、働き方としてリモートワークが定着した企業は数多くあります。
従来まで社内研修と言うと本社または指定された貸し会議室などに赴く、もしくは自身が所属する営業所に講師が来て受講するというパターンが一般的で、受講側がそれぞれ日程を調整して参加する必要がありました。
動画で研修を実施する場合は、基本的にネットワークに繋がったデバイスがあれば良いため、自宅でも出張先でも場所を問わずに研修を受けることができます。
また、受講する時間も個々の業務都合に合わせて調整できることから、ユーザーフレンドリーな研修を実現できます。
5)学習状況の分析を行える
自社のイントラネットや動画配信システムを用いて研修動画を運用する場合、個々の学習状況を見える化しやすいことも大きなポイントのひとつです。
各人が研修動画を見たかはもちろん、システムによっては理解度確認のための小テストを行ったり、受講後にアンケートを実施することも可能です。
これらは結果がすべてデジタルで出力されるため、集計や管理がしやすく、教育効果をより客観的に定量的に把握することが容易になります。
社内研修を動画で行う際の主な用途
研修動画を活用できる主なシチューションをご紹介します。
社内研修を動画で行う際の主な用途
- 新入社員研修・中途採用研修
- 製品・サービス研修
- 安全教育研修
- 評価者研修・管理者研修
新入社員研修・中途採用研修
会社に入った段階で実施するいわゆる入社時研修では、自社の事業から業務内容、業界や業務に応じたルール、コンプライアンスなど幅広く学ぶ必要があります。
特に新卒社員はビジネスマナーから各部署の業務研修まで研修内容が多岐にわたるため、その準備にかかるコストやリソースも多くなります。
動画は多くの情報を短い時間で伝えることに長けており、業界知識やスキルがほぼ無い状態で入社してくる対象に対しては特に効果的です。
後から気軽に見返すことができる点も大きな魅力です。
製品・サービス研修
自社で新しくリリースする製品やサービスを営業担当、サポート担当に理解してもらう「製品・サービス研修」としても動画は効果的です。
概要だけでなく独自の強みや技術、仕組みなどをイラストやCGを使って可視化することができるため、その製品やサービスのポイントをより早く確実に理解することができます。
また、顧客向けに制作した製品紹介動画やサービス紹介動画を社内研修用のコンテンツとしてそのまま流用できることから、プロモーションと社内研修の両面をカバーすることができ、使い勝手の面でも非常に優れている点もポイントです。
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安全教育研修
工場の場合、大型の装置や車両が常時稼働しており、一歩間違えると重大な事故につながる可能性を秘めています。
ですが実際にその事故を体験するわけにはいかないため、動画によるリスク周知や対策が有効です。
仕事現場に潜むリスクをリアルに表現でき、どのようなシチューションでどのような行動を取ると事故が起こるのかを端的に理解することができます。
実写形式で事故が起こるメカニズムを学ぶパターンや、3DCGを使って事故のシーンを再現したパターン、VR(拡張現実)を使って事故を疑似体験するパターンなどさまざまな種類があり、どの方法でも口頭やテキストベースに比べて直感的にリスクを理解できることが大きなメリットです。
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評価者研修・管理者研修
管理者研修においても動画は有効です。
新しく管理者になる社員に対して、部下を正しく指導・評価する方法やパワハラ・セクハラをはじめとした各種ハラスメントの知識など、管理者に求められる知識や行動を正しく理解してもらう必要があります。
動画を活用することで時間や場所を選ばずに研修を受けられるため、業務への影響を極力減らしながら研修を実施できます。
また、研修受講後に小テストやアンケートを実施することで、対面での研修と同じようなアウトプットを期待できます。
社内研修に動画を活用する際の注意点
社内研修に動画を活用するにあたって注意したいポイントをまとめました
1)動画の作成に手間とコストがかかる
社内研修に効果的な動画ですが、自社で作るにしてもプロに頼むにしても、最初にイニシャルコスト(制作費用と手間)がかかります。
研修の内容によってかかる費用や時間が異なるため、すべての研修を動画で行うかどうかは企業個々の判断となりますが、自社の研修スケジュールに合わせて準備期間を設ける必要があります。
一度制作してしまえば繰り返し活用することができ、実施頻度の多い研修のほうがより動画化する効果は大きくなります。
数ある研修の中で
・動画で実施した方がよい研修は何か
・自社で作るべきかプロに頼むべきか
・どんな研修内容にするのか
などを事前にしっかりと定めた上で制作を進めることが重要です。
2)セキュリティが問題となるケースがある
研修動画を大勢の従業員に配信する場合、情報漏洩などのリスクには注意が必要です。
例えばYouTubeの限定公開機能や、無料のクラウドストレージなどを利用して動画を共有していると、何かのきかっけで大切な情報に関する動画のURLが流出してしまう可能性も考えられます。
自社のイントラネットで完結する場合は問題ありませんが、u求める内容によっては別途動画配信プラットフォームを検討する必要も出てくるため、実施にあたっては事前にルールを定めた上で運用することが理想です。
3)リアルタイムの質疑応答やコミュニケーションなどが行えない
研修動画を配信する形式を取った場合、リアルタイムで受講者と講師がコミュニケーションが取れないことはひとつのデメリットになります。
受講後にアンケートを取得することである程度解消することはできるものの、リアルタイムなコミュニケーションと比較すると回答率は落ちるため、研修内容に合わせて配信方法を変えることも必要です。
例えばZoomやTeamsなどのオンライン会議で動画を共有し、その後に質疑応答時間を設けるなどでこの問題は解消可能です。
一方的な発信ではなく双方向のコミュニケーションが行える環境を整えておくことで、教育効果をより高めることができます。
研修動画の制作実績
研修動画の制作実績をご紹介します。
DX推進のための研修動画
若手から役員クラスまで、社員1万人に向けたDX推進研修動画。
デジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組みを「知ってもらう」「触れてもらう」ことを目的として制作。
できるだけ堅苦しさや小難しいイメージを排除するために、あえてポリゴンの少ないロボットをアバターとして使ったり、ナレーションにロボット音声を使ったりなど、気に留めてもらえるような仕掛けを盛り込みながら親近感を高めています。
推進工法の概要や仕組みを解説する教材動画
建設系専門学校の講義に活用することを目的とした推進工法の教材動画。
専門知識がない学生の方でも理解ができるように、複雑な説明は極力省きつつアニメーションや図表、写真などを織り交ぜて解説することで、推進工法の概要や仕組みをわかりやすく紹介しています。
本編は「推進工法の概要」「推進工法の解説」「特殊な推進工法」の3つで構成。
また、2分程度の企業紹介動画も合わせて制作し、合同説明会などの採用活動にも対応しています。
※弊社の導入実績ページでも詳しくご紹介しています。
製品の選び方セミナー動画
Web展示会の自社ブースで流すためのセミナーコンテンツとして制作。
金型加工用の切削工具を多数ラインナップする同社の強みを活かし「切削工程の生産性向上」と第して、加工物や保有機材に応じたおすすめの切削工具を紹介。
1本を10分程度にまとめ、またアナウンサーがナビゲーター役として解説を行うことで、一般的なWebセミナーとは異なる見やすさとわかりやすさを実現しました。
ドクター向けの症例紹介動画
2名のドクターによる帯状疱疹・水痘に関する症例とその見分け方を解説する教育・解説コンテンツ。
医療関係者向けの大手情報共有サイトに2週間おきに計4本掲載し、ドクターへの情報発信と内容に関するアンケート、そして自社診断キットの紹介が行われました。
研修動画に関するよくある質問
研修動画を制作するにあたってよくある質問をまとめました。
研修動画の制作期間は?
PR動画の制作期間はその内容や本数などにもよりますが「1~3ヶ月程度」かかります。
必要なタイミングが決まっている場合は、予め余裕を持って進めることをおすすめします。
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研修動画の制作費用は?
研修動画の制作費用はその内容や本数などにもよりますが、「50万円~150万円」程度がよくある費用感です。
何をどの程度のレベルで表現するのか、撮影の有無、アニメーションやCGを盛り込むのか等によっても大きく変動するため、制作会社にも相談の上、早めに方向性を固めていくことをおすすめします。
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社内研修で動画を活用するメリットのまとめ
社内研修において動画は、「見る人の正確な理解」と「受講者・講師双方の負担軽減」に貢献できるコンテンツです。
特にコロナ禍以降は働き方が変わった企業も多く、従来の社内研修のプロセスでは予定に手間がかかったり、十分に対応ができないケースが出てきており、結果として動画による研修にスポットがあたっている現状です。
売上につながる可能性がある販促向きのコンテンツと異なり、あくまで社内で完結する社内研修にどれだけ手間とコストをかけるのかは企業によってさまざまです。
研修対象の人数、研修を行う回数、突発的なのか恒常的なのかなどによっても、どのような研修スタイルが最適なのかは変わります。
動画による研修のメリットを理解し、効果的で負担の少ない研修実施に役立ててください。
わたしたち株式会社エルモは、製造業や製薬・医療機器メーカーを中心に500社以上の動画制作実績があります。
販促PRから採用活動、ブランディング、社内の技術継承、安全教育、周年式典にいたるまでBtoB取引におけるあらゆる用途の動画を制作しています。
まずはお気軽にご相談ください。
この記事の監修者
伝わる動画制作 編集部
製造業や製薬、医療機器メーカーに特化した動画制作会社として、製造業・医療業界ならではの課題と、その解決法としての動画活用術を発信。広報販促、マーケティング、ブランディング、採用、研修・安全教育など、それぞれの領域における動画活用の最新情報やノウハウ、事例などを随時お伝えしています。