動画制作を検討する上で重要な要素のひとつが「費用」です。

いくつかの動画制作会社に見積もりをかけてみたものの、「項目や様式が違ったりして高いのか安いのか、どのように判断すればいいわからない」といったケースも多いのではないでしょうか。

今回は実際の見積もり項目を見ながら、「見積書の正しい見方や比較のポイント、費用を抑えるコツ」などを製造業・製薬、医療機器メーカーに特化した動画制作会社のエルモがご紹介します

ぜひ、この記事を参考にして、動画制作のご検討に役立ててください。

この記事で解決できること

  • 動画制作における見積もりの正しい見方
  • チェックしておきたいポイント
  • 費用を抑えるポイント

動画制作の費用の決まり方

動画制作の見積もりは主に、「1.企画費」「2.編集費」「3.撮影費」「4.BGM・SE、ナレーション」「5.諸経費」の5つの項目から構成されています。

制作する動画の内容によって細かな違いはありますが、基本的にはどの動画にもこれらの要素から成り立ちます。

企画費

お客様の悩みや課題に合わせた動画コンテンツの方向性、コンセプト、構成、運用方法などの企画提案を行う費用です。

動画の具体的なシナリオを作成し、お客様とのやり取りを繰り返して内容を詰めていきます。

シナリオ作成にあたっては、コーポレートサイトや採用サイト、パンフレットをはじめとした各種配布物を参照するのはもちろん、必要に応じて関係部署へのヒアリング
も行います。

企画費は、動画の内容や制作期間の長さによって変動しますが、費用の目安は「15万円~50万円」程度になります。

撮影費

撮影費はその名の通り、動画撮影を行うための費用です。

事前に「どんなカット」を「どこで」「どんな時間配分」で撮影するのかを決めておき、抜け漏れがないように撮影を進めていきます。

撮影内容によっては、プロンプターや360度カメラ、ドローンなどの特殊機材を使用するケースもあります。

撮影費は、撮影内容や撮影日数などによって変動しますが、費用の目安は「25万円~」となります。

編集費

撮影した動画をつなぎ合わせたり、作成したイラストを動かしたり、特殊効果を施したりして“動”画として完成させていく作業の費用です。

編集のボリュームは動画の内容によって異なり、インタビュー動画のように比較的動きが少ないものから、ブランディング動画のように複数のカットを短時間で細かく繋いでいくもの、技術をわかりやすく伝えるために補足説明を追加するものなど、多様なパターンがあります。

また、アニメーション動画の場合は、動画のベースになるイラストを制作する工程もこの編集に含まれます。

編集費は、その内容や難易度、動画の長さなどによって変動しますが、費用の目安は「25万円~」となります。

BGM・SE・ナレーション

編集が終わった動画に命を吹き込む最後の工程が「BGM」「SE(効果音)」「ナレーション収録」になります。

これらは基本的にMAスタジオにて作業を行います。

動画の内容や雰囲気に合わせて適切な楽曲を選択し、コンテンツに臨場感や迫力を与えます。

ナレーションについては複数のナレーター候補から1名を選択し、動画の趣旨に沿ったトーンで原稿を読み上げていきます。

お客様にも立ち会ってもらいながら、業界用語やイントネーション等も随時確認しつつ完成に向けて一緒に作り上げていきます。

BGM・SE・ナレーション費は、その内容や動画の長さなどによって変動しますが、費用の目安は「20万円~」となります。

諸経費

諸経費は、動画制作で使う動画素材や画像素材の費用、撮影に伴う交通費や宿泊費、機材や会場のレンタル費などが含まれます。

こちらは制作する動画の内容によって金額に大きな差があり、数万円で済むケースもあれば、数十万円かかるケースもあります。

実際の見積もりから見る動画制作費用の内訳

では、実際の見積もりを見ながら、費用の内訳を見ていきます。

例)工場紹介動画を弊社に依頼した見積もり(150万円)と想定

企画・進行に関する費用

– 企画構成 ¥100,000
– 原稿整理・台本作成 ¥50,000
– 制作進行管理(2ヶ月) ¥100,000

企画・進行費の内訳について

この項目の概要

  • 企画構成:動画のコンセプトや内容を具体的に決定していく工程
  • 原稿整理&台本制作:資料をもとに台本(シナリオ)を作成する工程
  • 制作進行管理:スケジュール全体のコントロール、打ち合わせなどの管理

企画・進行では案件そのものの規模や制作期間の長さによって費用が変わります。

”企業紹介”や”採用”動画などの、制作にあたって明確なコンセプトが必要で、作り込みが必要なコンテンツではこちらの費用が大きくなります。

反対にインタビュー動画などの特にシナリオがなく、企画要素が少ないものはこちらの費用が少なくなります。

撮影に関する費用

– 撮影ディレクション(1日) ¥50,000
– 撮影技術費(1日) ¥200,000
– 撮影機材費(1日) ¥50,000

撮影費の内訳について

この項目の概要

  • 撮影ディレクション:撮影当日の進行・クオリティ管理にかかる費用
  • 撮影技術費:カメラマンを含めた当日の撮影にかかる費用
  • 撮影機材費:使用機材にかかる費用

撮影ではその日数と撮影場所によって費用が変わります。

撮影日数が2日・3日と増えていけばその分費用が増えますし、撮影場所が遠方になり前泊や後泊が必要になった場合も費用が変動します。

また、ドローンやプロンプターといった通常の撮影では使用しない特殊機材を用いた場合も費用が変わりますので注意が必要です。

編集に関する費用

    

– 画面デザイン・テロップ作成 ¥50,000
– グラフィック・イラスト作成(10点) ¥100,000~
– 編集(モーション・効果・修正含む) ¥300,000
– 検証・マスタリング ¥50,000

編集費の内訳について

この項目の概要

  • 画面デザイン・テロップ作成:動画の基本設計、テロップ作成の費用
  • グラフィック・イラスト作成:イラストを作成する費用
  • 編集:動画編集や修正にかかる費用
  • 検証・マスタリング:動画の書き出しやチェックにかかる費用

編集では撮影した動画をつなぎ合わせたり、作成したイラストを動かしたり、モーションや効果を付けて”動”画にしていく工程で、そのボリュームや作り込み具合によって費用がかわります。

例えば、動画が1種類の場合と3種類の場合では、後者の方が制作にかかる工数が増えるため、費用が大きくなります。

また、撮影したデータを単純に繋いだものと、シーンの切り替わりにトビラを設けたり、動きにエフェクトやモーションを付けたりして、動画そのものをリッチに仕立て上げた場合では、後者の方が費用が大きくなります。

編集部分はクライアントと制作会社の認識の齟齬が起きやすい要素でもあるため、事前に完成イメージを共有するなどして、想定したクオリティがきちんと担保されるよう注意する必要があります。

BGM・SE・ナレーションに関する費用

– 音楽(BGM・SEの選曲・使用料、MA作業スタジオ代) ¥150,000
– ナレーション収録(ナレーター1名、日本語) ¥100,000~

BGM・SE・ナレーション費の内訳について

この項目の概要

  • 音楽費:BGMやSEの選曲、MA作業、スタジオ使用にかかる費用
  • ナレーション収録:ナレーターの手配・使用にかかる費用

BGM・SE・ナレーション費は、主に「スタジオでのMA作業」と「ナレーター費用」にわけられます。

スタジオで作業する場合は、映像の内容や流れに合わせて適切なBGMやSEを複数選曲してMIXします。

スタジオを使用しない場合、費用は抑えられますが使用楽曲数が少ない簡易MAとなるため、クオリティ面ではスタジオを使用した方が大きく上回ります。

ナレーター費用に関しては、選定するナレーターと使用範囲によって若干の変動があります。

また、日本語よりも外国語(英語や中国語など)のナレーターの方が費用が高くなる傾向にあります。

見積書を確認する上で注意しておきたいポイント

基本的にどの動画制作会社に依頼しても、上記の項目の合計によって全体の費用が決まります。

ですが、動画制作会社には各社それぞれ得意とする領域やカラーがあり、何をどこまで想定するのかによって費用が異なります。

各社が想定するクオリティ(アウトプット)が異なる場合

例えば、
A社は企画力に定評があり、ざっくり資料を渡せばシナリオをきっちり作ってくれる
B社ではクライアントが主に原稿を作成し、B社は支給された原稿を流し込んで調整する

この場合、A社は企画費が高くなり、B社は安く済むケースがほとんどです。
費用面ではB社が有利ですが、動画のクオリティ面や納得感では、多くの場合A社に軍配が上がります。

このようにクオリティやアウトプットの違いが費用に反映されるケースは多く、費用かクオリティかの二者択一となります。

動画制作・映像制作の見積もりに関するまとめ

動画制作を検討する際に避けては通れない費用の問題。

相見積もりを取った際に価格だけで判断してしまうと、想定したクオリティが実現できなかったり、追加の費用が発生したりして、結果的に満足できない成果物になってしまう可能性も考えられます。

このような状態を避けるためにも、見積書を通して各制作会社の特長を見極めることが非常に重要になります。

高いからダメ・安いからOKではなく、
・高い場合は、なぜ高いのか
・安い場合は、なぜ安いのか
をしっかりと理解できれば、制作業者選びの基準も明確になります。

見積もりの正しい見方、チェックポイントを理解して、より効果的な動画づくりに役立ててください。

わたしたち株式会社エルモは、製造業や製薬・医療機器メーカーを中心に500社以上の動画制作実績があります。
販促PRから採用活動、ブランディング、社内の技術継承、安全教育、周年式典にいたるまでBtoB取引におけるあらゆる用途の動画を制作しています。
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この記事の監修者

伝わる動画制作 編集部

伝わる動画制作 編集部

製造業や製薬、医療機器メーカーに特化した動画制作会社として、製造業・医療業界ならではの課題と、その解決法としての動画活用術を発信。広報販促、マーケティング、ブランディング、採用、研修・安全教育など、それぞれの領域における動画活用の最新情報やノウハウ、事例などを随時お伝えしています。