企業が新しい製品やサービスをリリースしたり、新たな方針を策定したりなど、外部に対して情報を発信したいケースはさまざまあります。
内容がしっかりと決まっていれば”製品紹介”や”サービス紹介”としてその機能やメリットを説明すればいいですが、「時期的に内容が明確に決まっていない」「決まっているが詳しく言えない」というケースも存在します。
そのような状況で「取り組みの全体像を大まかに伝える」ことに役立つのがイメージ動画です。
この記事では「イメージ動画の役割や製造業における活用法、作り方のポイント」を製造業・製薬、医療機器メーカーに特化した動画制作会社のエルモがご紹介します。
イメージ動画とは?
イメージ動画は、製品やサービス、取り組みやビジョンなど、対象のイメージを視覚的に表現した動画です。
「今度こんな製品(サービス)が出ますよ」
「わたしたちは今後、このような分野に注力していきますよ」
といった今後出てくるモノやサービス、方針などを事前に打ち出して、ステークホルダーの認知・関心を高めたり、期待感を抱かせる目的で制作されます。
このイメージ動画は上記のような目的で制作される動画の総称であり、ほかにも「コンセプト動画」や「ティザームービー」「ブランディング動画」「メッセージムービー」などの名称で呼ばれたりします。
また「製品紹介」や「サービス紹介」「企業紹介」といった特定の内容や機能、メリットを紹介する動画とは区別して考えられています。
製造業におけるイメージ動画の活用シーン
イメージ動画というと何となくBtoCのイメージが強いかもしれませんが、BtoBの製造業においても活用されています。
その活用例をいくつかご紹介します。
製造業におけるイメージ動画の活用シーン
- 新しい製品やサービスのリリース
- 企業のビジョンやミッション、ブランドイメージを伝える
- システムやソフトウェアなどの無形商材の紹介
- 展示会やイベントへの出展
新しい製品やサービスのリリース
新製品や新サービスのリリースは、製造業にとって大きな訴求ポイントです。
どれだけ素晴らしい製品やサービスであっても、顧客に認知されなければ意味がありませんから、「その製品やサービスはどのようなものなのか」「どんな課題を解決できるのか」を動画を通して伝えることで、顧客の興味関心を喚起することが可能です。
製品発表会や対面営業での活用が想定されます。
企業のビジョンやミッション、ブランドイメージを伝える
企業では周年や中期経営計画など、定期的に自社の方針の見直しが行われます。
特に最近はSGDsやカーボンニュートラル、ダイバーシティをはじめとしたビジネス以外の指標も重要視され、これらも包括した上での方針が打ち出されるケースも増えてきました。
イメージ動画は、企業として「社会に対してどのような価値を提供するのか」「自社の存在が社会の課題解決にどう貢献するのか」といった想いをビジュアル化して伝えることができるため、ステークホルダーに対して共通の認識を抱いてもらいやすくなります。
システムやソフトウェアなどの無形商材の紹介
業務システムやソフトウェアなどの無形商材は、実際に触れて確認できる有形商材に比べて魅力が伝わりづらく、ビジュアル面でも画一的になりやすいため、差別化が難しいという側面があります。
視覚や触覚から来る情報が乏しいために、理解しようとするとしっかりと意識を向ける必要があり、興味関心度合いが低い方には負担になります。
イメージ動画は受動的に情報が入ってくるため見る人の負担が少なく、そのシステムやソフトウェアを使うことによる体験やベネフィットを視覚的に表現できるため、より直感的な理解を促すことが可能です。
展示会やイベントへの出展
展示会やイベント出展では、まずは来場者に対して自社のブースで足を止めてもらう必要があります。
「何だろう」という注意を引き付け、足を止めた人に興味や関心を持ってもらうことが重要です。
興味のない人に具体的な説明をしてもなかなか響きませんが、出展物のコンセプトやベネフィットといったわかりやすい内容であれば、相対的にすんなりと受け入れてもらうことができるため、イメージ動画との相性は高いと言えます。
イメージ動画の効果やメリット
イメージ動画を活用することで、期待できる効果やメリットは以下の3点です。
イメージ動画の効果やメリット
- 製品やサービスのコンセプト・世界観を伝えやすい
- 短時間で直感的に理解しやすい
- 用途が幅広く使い勝手が良い
製品やサービスのコンセプト・世界観を伝えやすい
コンセプトや世界観、ブランドといった要素は、製品やサービス・企業のイメージを伝える上で大切なものですが、その性質上どうしても概念的なものになりがちです。
具体的な機能であれば明確に描画できますが、コンセプトや世界観はテキストベースの”想い”になる事が多く、その解釈は見る人・読む人によって分かれがちです。
イメージ動画はこのような”想い”をビジュアル化して表現することができ、多くの人に共通の印象・イメージを抱いてもらいやすくなることが大きなメリットです。
ひとりでも多くの方にこのコンセプトやブランドに共感してもらい、価格や性能(機能)だけではない評価軸を持ってもらうことは製品やサービスの周知において武器になります。
短時間で直感的に理解しやすい
動画が他の媒体・手段と最も異なるのはその情報量の多さです。
1分間の動画にはWebサイト3,600ページ分、およそ180万語分の情報量があるとも言われています。
視覚と聴覚の両方から訴求できる動画は、言葉や文章では伝わりづらい内容を視覚的に伝えることができ、見る人に感覚的・直感的な理解を促すことが可能です。
短時間で伝わるということは、それだけ見る人の負担も少なくなるということでもあるため、より多くの潜在的な需要を掘り起こすチャンスにも繋がります。
用途が幅広く使い勝手が良い
イメージ動画は、概念的な内容をわかりやすく表現できるという特性上、さまざまな用途で活用できる使い勝手の良さがポイントです。
考えられる用途
●Webサイトへの掲載
●Youtubeチャンネルへの掲載
●展示会、イベントでの放映
●対面営業での活用
●SNSでのポスト、シェア
制作したものを複数の経路で活用できることを考えると、費用対効果に優れたコンテンツであるとも言えます。
イメージ動画の制作実績6選
イメージ動画の制作実績6選をご紹介します。
機能性と快適性を兼ね備えたウール製スポーツウェアの紹介動画
ウールの繊維束の内側にフィラメントを包み込み、ウールのソフトな風合いを最大限に活かしつつ快適性能高めた奇跡の新・交撚糸「NIKKE AXIO」
そのAXIOを使った幅広いシーンに対応できる快適性と機能性を備えたスポーツウェア「NIKKE AXIO PRO」の紹介動画
ショールーム等で放映することを想定し、1本を30秒・製品の特徴を3つのキーワードでまとめた動画に仕上げました。
スポーツウェアの「AXIO PRO」、リラクゼーションウェアの「AXIO RICH」、「AXIO(糸)の紹介」の3つの動画を制作しています。
企業理念を「人」を通して伝える企業紹介動画
同社の理念である”「人」を通じて 「地域」のお客様に 「健康」を提供していく ” を表現した企業紹介動画。
主に新卒採用で活用することを目的に、動画を通じて自社の企業理念や、業務を通じて得られるモノをビジュアル化して、2分程度の短い動画にまとめています。
フィットネスクラブの店舗スタッフの方にインタビューした動画も制作しており、こちらの企業紹介動画も含めて採用サイト内に掲載されています。
営農支援システムの紹介動画
営農支援システム「KSAS」の紹介動画
PCやスマートフォン上のサービスということもあって、全編アニメーションでサービスの特長を紹介。
「圃場管理」や「作業日誌」「進捗管理」など、それぞれの機能ごとに合計7本の動画を制作。1~2分程度の短い時間で内容を端的にご説明しています。
動画はサービスサイトやYouTubeチャンネルにも掲載しページのプレゼンスを高めています。
近未来の製品技術をイメージさせるコンセプト動画
工業炉業界のリーディング企業として、現在進行形の技術開発や市場ニーズを元に、数年から数十年後の「こうあるべき」のイメージ共有と業界全体のモチベーションアップを意図して制作。
実機や実製品がない中、スクラップアンドビルドで進行し、フルアニメーションの動画として完成させました。
企業の新入社員向けに保険の役割を啓蒙する保険情報動画
生命保険会社の販促課題としては、若年層の保険への関心を高めたい、というものがあります。
この動画は、LINEなどの若年層中心に浸透度・利用度の高いSNSで、保険に関する接点となりうるコンテンツとして企画・制作しました。
まずはターゲット層と課題・ゴールの共有から入り「どういった動画が効果的なのか」から一緒に考えていきました。
制作にあたっては、優しいトーンのイラストによるアニメーション動画を採用、保険業界での広報販促コードとのバランスを撮りながら、保険初心者向けの動画コンテンツが完成しました。
高速道路のドライブ情報ポータルサイトのCM動画
ポータルサイトの立ち上げ時の制作と並行して予告サイト(ティザーサイト)を制作。
そこで公開した30秒のCM動画。
「高速道路」「ドライブ」「サービスエリア」の要素をPOPなグラフィックとコミカルな動きで表現しました。
効果的なイメージ動画を作るためのポイント
制作するイメージ動画をより効果的なものにするためにも、押さえておきたいポイントを5つご紹介します。
効果的なイメージ動画を作るためのポイント
- ターゲットや目的を明確にしておく
- 製品やサービスのイメージ・キャラに沿った作りにする
- 伝えたいイメージを具体的にする
- 用途をある程度想定しておく
- 実績のある制作会社に相談する
ターゲットや目的を明確にしておく
まずは、動画のターゲットや目的を明確にしておくことです。
ここが曖昧だとその後のシナリオやデザインがズレてきてしまいます。
特定の顧客に向けたものなのか、幅広いステークホルダーに向けたものなのか、リリース前の認知向上なのかなど、事前にしっかりと定めておくことで効果的・効率的に制作を進めることができます。
製品やサービスのイメージ・キャラに沿った作りにする
自社の製品やサービスにはそれぞれ設定されたイメージがあります。
厳密にルール化されているものもあれば、何となく「うちはこうだろう」という共通認識ができあがっているものまでさまざまです。
動画を制作するにあたっては、作る対象(製品やサービス)のイメージに合わせたデザインで作っていく必要があります。
例えば製品サイトやチラシはかっちりと重厚な印象で作っているのに、動画はポップで優しい作りではどうしても違和感が生じてしまいますし、企業側が考えるイメージと顧客側が考えるイメージにズレが出てしまっても納得感が薄くなってしまいます。
これは極端な例ですが、制作のコントロールができていないとせっかく作ったイメージ動画の効果が減少してしまうため、制作にあたってはこのイメージやキャラを十分に確認した上で進めていくことが重要です。
用途をある程度想定しておく
制作した動画を「どんな用途で使うのか」を事前に想定しておくことも大切です。
最初は展示会出展のために制作したと仮定して、後日自社のSNSにショート動画としてアップしたいとなった場合は別途調整が必要です。
例えば以下のようなケースも考えられます。
・展示会や対面営業では問題ないが、サイトで公開するにはあまり見せたくない情報が映っている
・SNSにアップするために、1本の動画をいくつかに分割する必要がある
その都度調整すれば良いと言ってしまえばそれまでですが、調整には費用もかかります。
事前にある程度使い方を想定しておけば、「あらかじめその使い方を想定した作りにしておく」こともできるため、調整を最小限に抑えることも可能です。
制作段階であれこれと検討するのは大変ですが、制作会社とも相談しながらヌケモレがないように進めるのが理想的です。
実績のある制作会社に相談する
イメージ動画は、コンセプトや世界観といった概念的なものを映像として見える化していく必要があるコンテンツです。
制作にあたっては、しっかりと実績があり自社のことを客観的に分析できる制作会社に相談するのがおすすめです。
「見る人に端的にわかりやすく伝え、期待感を抱かせる」ことが大切であるため、どうしても当事者であるクライアントは、物事の正確性や細かい内容に注意を払うあまり「見る人がどう感じるか」という視点が疎かになってしまう可能性があります。
このタイプの動画は、制作会社が第三者の目線で客観的に内容を構築した方がメッセージ性の高いものに仕上がりやすいものです。
企画を含めて全体をリードできる制作会社に相談するようにしましょう。
イメージ動画のまとめ
イメージ動画は、「コンセプト動画」や「ティザームービー」「ブランディング動画」「メッセージムービー」などとも呼ばれる動画の総称です。
企業が何かを始めるとき、あるいは今までの方向性が変更になるときに、ステークホルダー対して、自社に対する興味関心を引き、その後の動きに注目してもらうことが大切になります。
そのゴールは企業によって異なりますが、いわば”映画の予告編”のように敢えて情報を明確にしすぎないことによって「期待感を抱かせる」ことは共通しています。
一般的にはBtoC企業のイメージが強い動画ではあるものの、BtoBや製造業であっても”情報をいかに知ってもらうか”は重要になっているため、マーケティングやブランディングの手段として非常に有効です。
わたしたち株式会社エルモは、製造業や製薬・医療機器メーカーを中心に500社以上の動画制作実績があります。
販促PRから採用活動、ブランディング、社内の技術継承、安全教育、周年式典にいたるまでBtoB取引におけるあらゆる用途の動画を制作しています。
まずはお気軽にご相談ください。
この記事の監修者
伝わる動画制作 編集部
製造業や製薬、医療機器メーカーに特化した動画制作会社として、製造業・医療業界ならではの課題と、その解決法としての動画活用術を発信。広報販促、マーケティング、ブランディング、採用、研修・安全教育など、それぞれの領域における動画活用の最新情報やノウハウ、事例などを随時お伝えしています。