製品発表会や周年式典、セミナーなどのように、企業活動においては顧客や取引先、社員などのステークホルダーを呼んで実施するイベントがいくつか存在します。
発表される内容が重要なのは言うまでもありませんが、来場者の注意を引き付け参加意欲を高めることもまた重要な要素です。
そんな場面で活用されるのがアタックムービー(映像)です。
今回はこの「アタックムービー(映像)の効果的な活用法や役割、作り方のポイント」などを製造業・製薬、医療機器メーカーに特化した動画制作会社の株式会社エルモがご紹介します。
目次
そもそもアタックムービー(映像)とは?
アタックムービー(映像)とは、イベントの開始や内容の切り替わりといった「ここから注目して欲しい」タイミングで流す動画コンテンツを指します。
”注目させる”ことを目的として30秒~1分程度で制作することが多く、見る人の注意を引いたり、強いインパクトを残すという狙いがこの「アタック」という言葉に込められています。
アタックムービー(映像)とは概念的な言葉で、「イベント動画」や「コンセプト動画」「オープニングムービー」などにもこれらの要素を含んでいますが、その中でもより勢いのあるインパクトの強い動画をアタックムービー(映像)と区別したりします。
アタックムービー(映像)を制作するメリット
企業がアタックムービー(映像)を制作するメリットとして、大きく以下の3点が考えられます。
アタックムービー(映像)を制作するメリット
- 参加者の注意を引き、意識を高める
- 期待感を高め、関心を持続させる
- 企業や製品・サービスのブランディングにつながる
参加者の注意を引き、意識を高める
何よりもアタックムービー(映像)の一番のメリットは、映像によってイベント参加者の関心を引き、見る人の意識や意欲を高めることにあります。
イベントはその性質上ある程度長い時間になりやすいため、来場者の集中を維持することが難しくなります。
イベントの開始やプログラムの切り替わりなど、主催者側が「注目して欲しい」タイミングでアタックムービー(映像)を流すことで、来場者の意識を動画に向けさせ、集中した状態でイベントに入っていくことができます。
期待感を高め、関心を持続させる
アタックムービー(映像)は、ただ来場者の注意を引き付けるだけのものではありません。
イベントの開始に合わせて使うのであれば、「これから何がはじまるのか」「何を知ることができるのか」を映像を通じて伝えることで、今からはじまるイベントへの期待感を抱かせ、来場者の関心を持続させることが可能です。
また、イベントに限らず、製品やサービス発表のティザームービーとして活用することで、情報を断片的に出して関心を引きつつ、正式発表(発売)までの期待を高めることに寄与します。
映画やゲーム等のエンタメ、自動車や家電製品の領域でもこれらの手法はよく用いられています。
企業や製品・サービスのブランディングにつながる
アタックムービー(映像)の内容はその用途によってさまざまで、来期の目標や周年(節目)の告知、大阪万博をはじめとするイベントへの意識高揚、新しい製品やサービスの紹介など、幅広い用途に活用できます。
クローズドなイベントだけでなく、展示会やセミナー、自社のSNSなどでも活用することで、企業や製品・サービスのブランドを訴求することにも役立ち、ブランディング活動の一助にもなります。
1回きりのイベント用に制作するのも良いですが、他の用途への活用も踏まえて制作することで費用対効果の高いコンテンツに仕上がります。
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アタックムービー(映像)の主な活用用途
アタックムービー(映像)は主に以下の3パターンの用途でよく活用されています。
アタックムービー(映像)の主な活用用途
- 周年式典・製品発表会などのイベント
- 展示会
- 企業や製品のCM
周年式典・製品発表会などのイベント
アタックムービー(映像)の最もポピュラーな使い方で、式典やイベントのオープニングとして活用するパターンです。
式典やイベントの開始演出をどうするかは比較的課題になることが多く、大勢の人の意識をどのように向けさせるかは意外と大変なものです。
司会の人が喋り始める、スポットライトを当てる、カウントダウンするなどの演出が多いですが、アタックムービー(映像)であれば、来場者の注意を引きながら短い時間でメッセージを伝えることができるため、より多くの人の意識に訴えかけることが可能です。
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展示会
展示会は多くの方が来場される中で、いかに自社のブースの前で足を止めてもらうかが重要になります。
会社案内から製品紹介、ブランドメッセージなど、展示会で動画を流すことは多く、非常に相性の良いコンテンツです。
その中でもアタックムービーは1本が30秒~1分程度と短く、ループ再生で活用しやすいことがポイントです。
また、内容やデザインもインパクト重視になることが多いことから、内容の理解よりも「目に留まる」「足を止める」ためのツールとして使うことで、効果を最大化しやすくなります。
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企業や製品のCM
アタックムービー(映像)は、短時間でインパクトを与えるという性質上、企業や製品・サービスのCMとしても効果的です。
テレビCMのような大掛かりなものではなく、「屋内外のディスプレイ広告」「事務所や店舗前のデジタルサイネージ」「SNSでの動画広告」など、その短い時間を動画特性を利用することで、比較的安価で使い勝手の良いPR手段として活用することが可能です。
BtoB企業、製造業であってもテレビCMを放送する企業がこの1~2年で増えてきました。
それは採用活動をはじめとして、ステークホルダーの認知をより高める方向に舵を切っており、”BtoBだから” ”製造業だから” 一般の認知は不要という時代は終わりを迎えつつあります。
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アタックムービー(映像)の活用例
ビジネスにおいて、360度動画を活用するメリットは大きく以下の2つがあります。
アタックムービー(映像)の活用例
- 製品発表会前のティザームービー
- お客様の課題に伴走していく姿勢を表現したアタックムービー
- 周年式典のオープニング映像
- ソーシャルデザインをテーマをしたイベントのオープニング映像
- 福祉業界向け就職イベントのコンセプト動画
製品発表会前のティザームービー
新製品の発表を間近に控えたタイミングで、発表内容をちら見せするティザームービー。
新製品のポイント(と思われる)部分を段階的にビジュアルで表現して、製品発表会までユーザーの期待感を高め、関心を維持させています。
引用:[あと5日!]2024年5月15日 | Xperia新商品発表会ティザー
お客様の課題に伴走していく姿勢を表現したアタックムービー
全編をグラフィックで構成したパターンで、企業の姿勢や取り組みを前に進んでいく矢印をアイコンとして表現しています。
周年式典のオープニング映像
創業10周年を記念した周年式典のオープニング映像。
写真と映像素材を組み合わせた構成で、短い時間で画面を切り替えることでテンポ感を演出。
働く社員にも多数出演してもらい、会社の雰囲気が伝わる内容となっています。
引用:【オープニング】株式会社ユニソンプラネット創業10周年記念パーティーオープニングムービー
ソーシャルデザインをテーマをしたイベントのオープニング映像
国内最大級のソーシャルデザインをテーマにした東京・渋谷の都市フェスのオープニング映像。
開催される渋谷の街並みを背景に、グラフィックがテンポよく展開されていく構成になっています。
引用:【アタック映像】SOCIAL INNOVATION WEEK SHIBUYA 2020 -Conference-
福祉業界向け就職イベントのコンセプト動画
福祉業界への就職を目指す企業と求職者をつなぐイベントのコンセプト動画。
福祉を取り巻くさまざまな状況と、その中で新しい人を求めている「こんな人と働きたい」というメッセージを発信し、イベントの内容を端的に理解できるものになっています。
引用:2022新卒向けFUKUSHI meets!アタックムービー
失敗しないアタックムービー(映像)制作のポイント
アタックムービー(映像)は、他の動画コンテンツよりも尖った内容になりがちのため、しっかりと事前準備を済ませてから制作を進める必要があります。
失敗しないアタックムービー制作のポイントをいくつかご紹介します。
ターゲットと目的を明確にする
アタックムービー(映像)に限らずではありますが、制作する上でその「目的」と「ターゲット」を明確にするのはとても重要です。
周年式典で流すのか、製品発表会で流すのか、はたまた社内のビジネスコンテストで流すのかなどによっても内容が変わってきます。
またお客様向けなのか、社員向けなのかによっても全体のトーンや雰囲気も変わります。
特にアタックムービー(映像)は、インパクトを与えて見る人の注目を集めることが目的のため、これらの<ポイントが曖昧の状態で制作してしまうと訴求ポイントがずれてしまい、「刺さらない映像」になってしまいます。
映像としての役割・効果を最大化するためにも「目的」と「ターゲット」は明確にしておきましょう。
伝えたい内容とイメージを共有する
映像を制作する目的とターゲットが定まったら、次は「何を伝えるか」「どう伝えるか」を明確にしていきます。
「何を伝えるか」は目的とターゲットが定まった時点である程度見えていると思いますので、その中で優先順位を付けて伝えたいことを整理していきます。
基本的に尺が短い動画になるため、伝える内容はある程度絞る必要があります。
「どう伝えるか」については表現の部分で、完成系を大きく左右する要素です。
例えば、スマートさを演出するのか、コテコテのインパクト重視でいくのかによって、デザインや表現はまったく異なったものになります。
理想的なイメージがあれば早めに制作会社と共有することをおすすめします。
短時間でまとめ、言いすぎない
アタックムービー(映像)は多くの場合、30秒~1分程度の短い動画になります。
※街頭ビジョン用の動画などは15秒ともっと短くなります。
短い尺の中にあれもこれも詰め込んでしまうと情報量が多くなりすぎてしまい、結局何が言いたいのか、何に注目したらいいのかがわからなくなります。
あとは単純に見づらい動画になります。
伝えたい内容・メッセージはできるだけ絞り、簡潔にまとめて伝えることは重要です。
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アタックムービー(映像)のまとめ
アタックムービー(映像)は、「映像の持つ豊富な情報量を活かして短時間で伝える」ことに特化した映像コンテンツです。
映像単体で完結させるものではなく、あくまで見る人の注意を引き付けたり、あるいは関心を継続してもらうために活用される珍しいパターンで、映画の予告編に近いものと言えるかもしれません。
企業紹介動画、製品紹介動画、工場紹介動画などに比べると活用できるシチュエーションが限定的ではありますが、自社サイトやYouTubeチャンネルにアップしたり、SNSでポストするといった手段で使い道を拡大させることは可能です。
何かを説明・解説する動画に対してインパクト重視でひと目を引くことがアイデンティティのため、自社を知ってもらうきっかけとして活用する分にはとても効果的な動画と言えます。
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この記事の監修者
伝わる動画制作 編集部
製造業や製薬、医療機器メーカーに特化した動画制作会社として、製造業・医療業界ならではの課題と、その解決法としての動画活用術を発信。広報販促、マーケティング、ブランディング、採用、研修・安全教育など、それぞれの領域における動画活用の最新情報やノウハウ、事例などを随時お伝えしています。