建築や建設、自動車や鉄道など、世の中のさまざまな製品やインフラを支えるのが鉄鋼製品・非鉄金属製品です。

社会や暮らしを支える重要なものである一方、目立たない存在であるためステークホルダー(特に求職者)へのアピールが難しい業界でもあります。

今回は「鉄鋼業界・非鉄金属業界における効果的な動画活用術」を、製造業・製薬、医療機器メーカーに特化した動画制作会社の株式会社エルモがご紹介します。

広報・PRに関する鉄鋼業界・非鉄金属業界ならではの課題

鉄鋼業界・非鉄金属業界はその製品特性や実際の用途、商慣習などの問題で、他業界に比べてステークホルダーへのアピールが難しい業界でもあります。

その理由の代表的なものをご紹介します。

鉄鋼業界・非鉄金属業界ならではの課題

  • 最終製品に組み込まれる機能部材であること
  • 製品のクオリティはJISで規定されており、差がつきにくい

最終製品に組み込まれる機能部材であること

鉄鋼業界・非鉄金属業界の製品は、鋼管にしてもアルミインゴットにしても、それ単体で完結するものではなく、

鋼管を多数使ってビル等の建物ができる
アルミインゴットを溶かして自動車のエンジンブロックにする

といった「最終製品を完成させるための機能部材」であることがほとんどです。

そのため外部からは確認することができず、ステークホルダーの認知が容易ではないことがひとつの課題です。

納入先との関係もあり、例えば「大◯駅の駅舎で使われている」とか、「TO◯OTAのプ◯ウスで使われている」といった実績を大っぴらには公開できないことも、この課題に拍車をかけています。

このような制約がある中で自社や製品の優位性、実績をどのようにわかりやすく伝えられるかが重要になっています。

製品のクオリティはJISで規定されており、差がつきにくい

スチール鋼管やステンレス鋼管をはじめとした機能部材の多くは、その仕上がりやクオリティがJISによって規定されています。

つまり、JIS規格に適合すればOKであり、企業による差がつきにくいことを意味します。

もちろん自社でしか作ることができない特殊な口径や長さ、形状の製品があれば別ですが、世の中に流通する多くの製品は規格品であり、機械メーカーのようにその製品で差別化するのが難しいという側面があります。

生産量や生産体制、リードタイムの短さなど、製品以外の部分で強みを見出し、それをわかりやすく訴求していく必要があります。

鉄鋼業界・非鉄金属業界で動画を活用するメリット

鉄鋼業界・非鉄金属業界は他業界に比べてアピールが難しいことはお伝えしましたが、その分動画を活用するメリットが大きい業界であるとも言えます。

自社や製品のアピールに動画を活用するメリットを3点ご紹介します。

鉄鋼業界・非鉄金属業界で動画を活用するメリット

  • 自社製品の用途を見える化できる
  • 情報量が豊富で人の記憶に残りやすい
  • 用途が広く、使い勝手に優れる

自社製品の用途を見える化できる

業界の慣習上、自社の製品が特定の建築物や自動車、倉庫などの最終製品に使用されていたとしても、その固有名称を出したり実際の写真を用いて紹介することは難しいのが現実です。

例えばイラストや3DCGを使ってビジュアル化できれば、メーカーを特定せずに最終製品を紹介できるため、上記の制約を回避して自社の実績をアピールすることが可能です。

またそれだけでなく、「自動車のドライブシャフトに使われている」「ビルの地下の免震構造装置に使われている」のように、”最終製品のどの部分に活用されているのか”を動きを使って紹介することができます。

例)自動車が出てくる → 外装が分解される → 自社の製品が使われている部分をピックアップ

このように仮想のビジュアルと動きによって、機能部材としての製品価値をより簡単に確実に見る人に伝えることができ、訴求力を向上させることが可能となります。

情報量が豊富で人の記憶に残りやすい

1分間の動画にはWebサイト3,600ページ分、およそ180万語分の情報量があるとも言われています。

視覚と聴覚の両方から訴求するため、例えば「口頭で説明すると10分かかるものが動画なら2分で説明できる」といった具合に、短い時間でわかりやすく伝える力にとても秀でています。

伝えたいことはたくさんあるが全部説明すると長くなってしまうというジレンマを解消でき、見る人の負担を減らしつつ、記憶(印象)に残しやすいのがポイントです。

用途が広く、使い勝手に優れる

動画は活用できる用途が広く、使い勝手に優れる点も大きなメリットです。

対面営業やプレゼンテーション、展示会、採用説明会、研修会などで流すことはもちろん、YouTubeチャンネルや自社サイトにアップして広く多くの方に見ていただくことも可能です。

また、カタログやパンフレットなどの紙媒体にQRコードを埋め込んでおき、そこから動画にアクセスできる導線を確保することもできます。

カタログやパンフレットでは製品のラインナップや概要を知ってもらい、詳しい説明や使い方などは動画を見てもらうと言った役割分担も可能のため、動画を組み合わせることで紙面スペースの制約がある紙媒体の訴求力をさらに高められるメリットもあります。

複数の用途で活用することで露出を増やして効率的にアピールできるため、上手に使えば費用対効果の高いコンテンツと言えます。

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鉄鋼業界・非鉄金属業界における動画の訴求ポイント

鉄鋼業界・非鉄金属業界の動画制作において、訴求したいポイントをまとめました。

鉄鋼業界・非鉄金属業界における動画の訴求ポイント

  • 生産体制や設備、ネットワークを伝える
  • 独自の技術や仕組みを伝える
  • 安定感・安心感を訴求する

 

生産体制や設備、ネットワークを伝える

製造業とりわけ鉄鋼業界や非鉄金属業界にとっては、自社の生産体制や生産設備、工場のネットワークの情報は大きな訴求ポイントのひとつです。

製品で差別化できない場合、月間・年間でどの程度の生産ができるのか、設備をどの程度持っているのかが、その企業の生産能力や規模感を示す指標となります。

また、自動車業界向け製品などは納入先にできるだけ短時間で製品を届けられるよう、納入先の工場に近い場所に自社工場を建てる「需要地生産体制」が重要なファクタにーになる場合も多くあります。

これらの訴求を通じて、見る人に安心感や納得感を抱いてもらうことが大切になります。

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工場紹介 動画は、主に自社工場の製造工程や製造技術、導入している設備、そこで働く社員の方々、そして企業文化をビジュアルで伝えられるツールです。工場紹介 動画のメリットや作り方のポイント、費用や制作期間、制作実績などをご紹介します。

独自の技術や仕組みを伝える

製造業では自社の強みとなる独自の技術や仕組みがあります。

お客さんに手にとって見てもらったり、写真や動画で撮影して紹介したりできればベストですが、ものによっては難しいケースもあります。

例えば以下のようなケースです。
●内部構造のためそもそも撮影が不可能
●撮影はできるがコア技術等の機密情報の関係で見せられない
●システムのため処理前後の画面しか紹介できるものがない

上記のような場合は、イラストや3DCGを使って見える化することで、より「伝わりやすいカタチ」にすることができ、制約を取り払いつつわかりやすく説明することができます。

また、部品メーカーでよくある「自社の製品が使われた最終製品を見せたいけど、許可が降りないので見せられない」という課題も解決できます。

製造業こそ活用したいアニメーション動画独自技術を見える化

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アニメーション動画とは、イラストや文字などに動きをつけた動画のことで、実写と対をなす表現手法としてさまざまなシチュエーションで利用されています。 どちらかと言うとやわらかくポップなイメージがあり、ビジネスにはそぐわないと考える方もいるかもしれませんが、最近は 製造業 の動画制作においても多く使われています。

安定感・安心感を訴求する

鉄鋼業界や非鉄金属業界はあまり華やかなイメージはありませんが、社会のインフラを支える役割が強く、景気の動向に左右されにくい(不況に強い)ことがポイントのひとつです。

これは採用活動においては大きな武器になります。

求職者からすると、BtoBの製造業とりわけ鉄鋼や非鉄金属業界の知名度はかなり低いため、まずは会社を知ってもらうとこからがスタートです。

自社の事業、業務内容、給与、福利厚生、キャリアプランなど、さまざまな要素がある中で「長く安心して働ける」ことは、会社の帰属意識が薄れた現在であっても安心材料となります。

自社の事業が社会にどのように役立っているのかを簡潔に伝え、役割を理解してもらうことで、他業界との差別化要素にも繋がります

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鉄鋼業界・非鉄金属業界での制作実績

工場見学者向けの企業紹介動画

営業用途に特化した工場見学者向けの企業紹介動画

工場見学に来られたお客様に対して、自社の強みをより具体的・専門的に伝えることを目的としたコンテンツです。

工場の生産能力から製造可能な形状や厚み、製造工程や各種設備の紹介、品質管理に対する取り組みなどを盛り込み、お客様に安心感を与え、背中を押すためのツールとして活用されています。

※弊社の制作実績ページでもご紹介しています。

企業のビジョン・強みの訴求に重点を置いた企業案内動画

「ビジョン」「事業・沿革」「強み・風土」「SDGs」「社員メッセージ」の5つのパートで構成。

製品や製造工程の説明的なコンテンツではなく、企業としての考えや想いを伝えることに重点をおいて制作しました。

撮影については4Kシネカメラを採用、質感の高い表現を実現しました。

また、ビジョンや想いなどは、グラフィックで補完しています。おもに株主総会、工場見学会、採用活動などで活用いただいています。


※弊社の制作実績ページでもご紹介しています。

アルミ2次合金メーカーの会社紹介動画

チャプター形式を採用し「ビジョン」「会社概要」「生産工程」「研究開発」「グローバル活動」「CSR」の6つのチャプターで構成。

三重、滋賀、福島、茨城など全国各地の工場や研究所で撮影を行いました。

実写映像を中心にまとめたオーソドックスな形式ですが、生産ラインや設備の変更や追加、SDGsへの取り組みといったトピックスを反映させるため、定期的に見直しや撮影を行いながら情報を最新に保っています。

現在は株主総会やリクルート、来客対応などで活用いただいています。

※弊社の制作実績ページでもご紹介しています。

継手製造メーカーブランディング動画

企業理念や社風などをヒアリングし、それらを象徴するメッセージを、質の高い映像で表現しました。

周年イベントやリクルート業務で活用されています。


※弊社の制作実績ページでもご紹介しています。

金属製品加工メーカー様の工場案内動画

シネマカメラ、ドローンなどを活用した質感の高い表現で、技術の先進性、エリアの旗艦工場としての存在感を訴求しました。


※弊社の制作実績ページでもご紹介しています。

鉄鋼業界・非鉄金属業界における動画活用術のまとめ

鉄鋼業界・非鉄金属業界は現代社会を影から支える「縁の下の力持ち」で、なくてはならない存在ではあるものの、その反面、自社の魅力をステークホルダーに伝えることが難しい業界でもあります。

他業界以上に「どのように社会に貢献しているのか」「暮らしを支えているのか」をわかりやすく伝えることが、企業価値を正しく理解してもらう結果に繋がります。

動画はこのような鉄鋼業界・非鉄金属業界ならではの課題を解決できるポテンシャルを秘めており、正しく活用できれば自社の訴求力やメッセージ性を大幅に高めることが可能です。

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わたしたち株式会社エルモは、製造業や製薬・医療機器メーカーを中心に500社以上の動画制作実績があります。
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この記事の監修者

伝わる動画制作 編集部

伝わる動画制作 編集部

製造業や製薬、医療機器メーカーに特化した動画制作会社として、製造業・医療業界ならではの課題と、その解決法としての動画活用術を発信。広報販促、マーケティング、ブランディング、採用、研修・安全教育など、それぞれの領域における動画活用の最新情報やノウハウ、事例などを随時お伝えしています。

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