【展示会レポート】関西ロボットワールド2023

今回は6月8日(木)~6月9日(金)にかけてインテックス大阪で開催された「関西ロボットワールド」のレポートをお届けします。

動画制作会社の視点で、各ブースの出展内容や動画の活用方法などを製造業・製薬、医療機器メーカーに特化した動画制作会社のエルモがご紹介します

展示会で本当に使える・効果が出る動画コンテンツの活用法

展示会で本当に使える・効果が出る動画の活用方法【展示会動画】

自社製品やサービスの販促のために多くの企業が活用するのが展示会や学会への出展。 コロナ禍を終えた現在でも顔を突き合せたリアルな展示会が人気を博しています。 今回は30以上のさまざまな展示会に足を運んだ筆者が感じた「展示会で本当に使える・効果が出る動画コンテンツの活用法」についてご紹介します。

関西ロボットワールドの概要

本展示会は、急速に発達・発展する注目度の高いロボット・次世代モビリティ産業。本展はロボットや次世代モビリティの開発・導入を促進する専門技術展です。
・第7回 サービスロボット展
・第6回 産業用ロボット展
・第3回 次世代モビリティ展
の3つの展示から構成されています
関西ロボットワールド2023サイトから引用)

筆者はこの展示会に過去に何度か足を運んでいますが、インテックス大阪で開催されるものの中では比較的小規模で、来場者もそれほど多くなく、正直に言うと少し寂しい印象がありました。
今回はどうなのか、期待と不安を胸に会場に足を運んでみると、何と受付には長蛇の列が。

想定以上の光景に正直自分の目を疑いましたが、ひとまず列に並ぶことに。
受付をして会場に入るまでに20分ほどかかりました。

会場に入ってみると、この賑わいっぷり。
会場自体が小さいのもありますが、たくさんの方が来場されていて大盛況でした。

展示会出展の目的

ビジネス活動において王道の選択肢である展示会ですが、出展する目的としては主に以下の2つです

(1)製品やサービスの拡販

自社の製品やサービスをより多くの来場者にPRし、「見込み客を増やす」「営業先を増やす」ことに繋げる。

来場者の顔を見て話ができ、連絡先(名刺)も入手できる。ある程度まとまった数の見込み客を効率的に手に入れることができます。

(2)マーケットの声収集

開発中の製品やサービス、新しい技術などを発表して来場者のリアルな声を収集し、「方向性の確認」や「新たな活用方法の模索」「製品化への道筋」などを確認する。

企業側の企画意図とマーケットの声をすり合わせる場として活用できます。

動画は製品紹介と実験・試験動画に多く活用

他の展示会と比較すると動画の活用率は低めで、全体の1/3程度かなといった印象です。

製品の特長やコンセプトを紹介する動画に加えて、実験・試験のようすをおさめたエビデンス系の動画がよく放映されていました。

製品紹介動画

製品コンセプトのアニメーション

実験・試験動画

展示会動画の役割と使い方

多くの展示ブースで流されるようになった展示会動画ですが、こちらも出展内容や目的に応じて最適な活用方法があります。

動画コンテンツの目的はあくまで「出展内容や説明する人員を補佐する」ものであり、動画単体で完結するものではありません。

目的別に見る動画の有効な活用方法

製品やサービスの拡販の場合

製品やサービスの特徴を端的にわかりやすく伝える
競合他社との被りを避けつつ存在感をアピールする
製品・サービスの使い方や設置(設定)方法を紹介する

マーケットの声収集の場合

技術や仕組みを見える化する
アンケート結果・試験結果などのデータ(エビデンス)を開示する

これらのポイントについては下記の「展示会で本当に使える・効果が出る動画の活用方法」で詳しくご紹介しています。
展示会でのプロモーション方法でお困りの場合はぜひ合わせてご確認ください。

展示会で本当に使える・効果が出る動画コンテンツの活用法

展示会で本当に使える・効果が出る動画の活用方法【展示会動画】

自社製品やサービスの販促のために多くの企業が活用するのが展示会や学会への出展。 コロナ禍を終えた現在でも顔を突き合せたリアルな展示会が人気を博しています。 今回は30以上のさまざまな展示会に足を運んだ筆者が感じた「展示会で本当に使える・効果が出る動画コンテンツの活用法」についてご紹介します。

展示会動画の制作にかかる費用は?

制作する動画の内容や尺、表現方法などにもよりますが、概ね「50万円~100万円」程度が相場です。

制作には1ヶ月~2ヶ月程度かかるため、開催日に合わせて少し早めにスタートできると不測の事態にも対応しやすいためおすすめです。

動画制作にかかる費用に関しては以下の記事で詳しくまとめています。

動画制作にはいくらかかる

動画制作にはいくらかかる?料金の内訳と種類ごとの費用相場を徹底解説

企業や団体のプロモーションやリクルート、社員教育などに幅広く活用される動画コンテンツ。 検討を進める上でネックになるのが「どの程度の費用がかかるのか」 今回は「動画制作費用の相場と失敗しない外注依頼の方法」を詳しくご紹介します。

展示会動画の制作実績

展示会動画の実績の一例をご紹介します。

メンテナンス業務を効率化する常設点検足場の紹介動画

膜の特性を活かした新しい常設点検足場の紹介動画。

橋梁のメンテナンスに関する現状(※)や製品のメリット、特筆すべき機能、エビデンスなどを5分程度にまとめました。

動画撮影が難しいこともあって全体をイラストと3DCGを使って構成。
撮影が可能な耐久試験や性能試験は動画を使うなど、さまざまな表現を使い分けてわかりすさを担保しています。

(※)橋梁の点検作業の多くは仮設足場を組んだり高所作業車を用いて行う必要があり、さらに道路管理者や鉄道管理者との協議やメンテナンスコストが毎回かかることから、足場の常設化が進められています。

工業炉の脱炭素化に向けたロードマップ動画

工業炉の脱炭素化に向けた今後のアクションをまとめたロードマップ動画。
2050年の工業炉のカーボンニュートラル化に向けた取り組みを5つのフェイズに整理して説明。

長期的な目標であること、現時点では具体例を出すことができない項目が存在することなどに鑑み、
アニメーションを用いてそれぞれのアクションやその流れ、概念などをビジュアル化することで
見る人の端的な理解を促しています。

スマートファクトリー構想のビジョン動画

繊維ベンダーを集めた展示会で放映する自社の未来を表現したインフォグラフィック動画。
繊維製造の現場は、他業種に比べてアナログが部分が多く、昨今の自動化やAIなどのトレンドからは少し距離がある現状となっていました。

自社の繊維製造現場のスマートファクトリー化を進め、従来よりも高速で高効率なものづくり体制を実現きるイメージをアニメーションで表現。
ベンダーに対して「新たな可能性を一緒に模索していきましょう」と訴えかける内容となっています。

センサ機器の技術紹介動画

鉄道運行に関わる、さまざまなメンテナンス業務の負担を軽減できるセンサ機器の紹介動画。
専門的な技術を端的に90秒ほどでわかりやすくアニメーションで表現しています。

鉄道運行管理業務に関する現状の課題や、センサ機器をつかってどのような課題を解決できるのかを端的に解説しています。
展示ブースやWEBサイトなどでご活用されています。

展示の方向性

今回の展示は商談目的の「製品やサービスの展示」よりも「最新技術の公開や市場の声収集」の側面が強かったのが印象的でした。

「最新技術の公開や市場の声収集」

例えばこちらはロボット用のロボットの外装や表情のパーツを制作されている会社の展示。
ロボット=無機質な白というイメージですが、使うシチュエーションに合わせて外装を換装することで、「より違和感なく親近感をもって受け入れられうようになる」とのこと。

顔・胴体・腕・足などパーツを細かく設定できる

使用するシチュエーションに合わせてロボット見た目も変わることで、違和感なく受け入れてもらえるのではないか

外装が変わると、無機質な印象がかなり和らぎます

 
こちらはビルや施設の巡回・監視用ロボットのコンセプト。
台車に身長計のように垂直のレールがついていて、そのレールにロボットが装着されています。
足元の台車がビルや施設の決められたルートを巡回して、その内容をカメラで記録するというもので、ポイントは縦移動。
レールをロボットが上下動することによって、台車が苦手とする高さ方向をカバーできるとのことで、エレベーターに載って目的のフロアに行けるそうです。

どことなくボンバーマンを思い出させる愛らしい見た目

このロボットアームでエレベーターのボタンを押したりできるそう

 
こちらは遠隔作業用のロボットのコンセプト。
災害救助や極限環境での使用といったロボットしかできないものではなく、自分自身の分身としてカジュアルに使えるものをイメージされているとのこと。
ロボットと人間が円滑にコミュニケーションを取れるように、人形を模した小さなロボットを配置し、このロボットを通じてリアクションできる仕掛けを施されているそうです。

見た目はよくあるロボットアームですが、先端に小さなロボットがついています

黒い部分がカメラになっていて、遠隔地からでも相手の顔を見ながらリアクションできるそう

 
また、ロボットを業務そのものではなく、販促やPRに活用しようという動きもありました。
台車ロボットの上にデジタルサイネージやモニターを付けて商業施設などを巡回させることで、「動く看板」として活用。
販促効果アップだけでなく、スペースの削減にも役立つとのこと。
会場ではモニターにバーチャルユーチューバー(Vtuber)を映し出し、リアルタイムで通信しながら来場者とコミュニケーションを取っていました。

バーチャルユーチューバーを映し出したサイネージ。1時間毎に別の方にかわっていました

「実機製品の展示」

他の展示会と同様に実際のプロダクトを展示されているブースもありました。

小型のマイクロモーター

ロボットアーム

関節部の動きで蛇のように駆動するロボット

展示ブースの大きさ、展示内容について

見せ方よりも展示内容で勝負

今回の展示会は会場そのもののスペースが小さいこと、出展内容も技術やアイディアのお披露目的な色合いが強いことも相まって、見せ方よりも展示内容で勝負されているブースが多い印象でした。

ただ、来場者が多く活気もあって、この分野が相当注目されていることをまじまじと感じることができました。

まとめ

今回の「関西ロボットワールド2023」は今年参加した大阪の展示会の中で最も賑わっていました。

筆者が以前参加したのはコロナ前の2019年ごろ、この4年間で社会やビジネスの構造が大きく変わろうとしていることも相まって、これまで以上に注目される結果になったのだろうと思います。

また、いろいろなブースでお話をお伺いしていて印象的だったのは「人間とロボットの共生」という部分です。

従来、ビジネスにおけるロボット利用と言えば、
・生産ラインの中に組み込んで自動化、生産性工場
・人間が対応できない環境で代わりに仕事をする
などの面が多かったと思います。

しかしながら今回は、「例えばオフィスや工場で人間とロボットが一緒になって働く」「サービス業をはじめとして、今まで人間がやっていた領域をロボットが担う」ことが想定されているものが多く、一緒に働く・暮らしに溶け込むためにいろいろとアイディアをめぐらせていることを感じられました。

来場者の方々が興味津々なようすでブースで話を聞かれている姿がとても印象に残っています。

展示会で本当に使える・効果が出る動画コンテンツの活用法

展示会で本当に使える・効果が出る動画の活用方法【展示会動画】

自社製品やサービスの販促のために多くの企業が活用するのが展示会や学会への出展。 コロナ禍を終えた現在でも顔を突き合せたリアルな展示会が人気を博しています。 今回は30以上のさまざまな展示会に足を運んだ筆者が感じた「展示会で本当に使える・効果が出る動画コンテンツの活用法」についてご紹介します。

わたしたち株式会社エルモは、製造業や製薬・医療機器メーカーを中心に500社以上の動画制作実績があります。
販促PRから採用活動、ブランディング、社内の技術継承、安全教育、周年式典にいたるまでBtoB取引におけるあらゆる用途の動画を制作しています。
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この記事の監修者

伝わる動画制作 編集部

伝わる動画制作 編集部

製造業や製薬、医療機器メーカーに特化した動画制作会社として、製造業・医療業界ならではの課題と、その解決法としての動画活用術を発信。広報販促、マーケティング、ブランディング、採用、研修・安全教育など、それぞれの領域における動画活用の最新情報やノウハウ、事例などを随時お伝えしています。

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